コンビニのお赤飯のおにぎりの思い出

life

夏休み最後の週末は、キャンプに行ってきました。
通常、キャンプに行く!となると、朝は早く起きて出発するのですが
月曜日から金曜日まで、仕事でちょっと疲れ気味だったので
土曜日の朝、ゆっくり出発しました。

朝ごはんは食べずに出発したので、途中のコンビニでおにぎりを購入。
私は「お赤飯」が好きなので、お赤飯のおにぎりを。

コンビニのお赤飯のおにぎりにはちょっと切ない思い出があります。

娘を妊娠していることがわかって、
当時の夫とお祝いしたかったのですが、
既に夫婦関係が崩れ始めており、そういう雰囲気ではなかったのです。

それでも、私は子どもを授かったのが嬉しくて、お祝いしたかった。
でも、夫は私の妊娠を喜んでくれていない・・・

お祝いしないと、赤ちゃんが神様の元に帰ってしまうような気がして
なんだか焦っていました。

もう私一人でお祝いしよう、と
当時の職場への出勤前にコンビニでお赤飯のおにぎりを買って
お昼に食べました。

お赤飯を食べることで、赤ちゃんを歓迎している気持ちが、赤ちゃんや神様に伝わった気がして、ほっとした気持ち。
そして、妊娠を喜んでいない(当時の)夫のことを考えて、
寂しくなる気持ちが混ざっていました。

離婚して数年後、
あの時、私一人でコンビニのお赤飯のおにぎりでお祝いしたのよね、
ということを、ちょっと笑いながら、たまたま自分の両親に話したとき、
二人は悲しそうな顔をしてしまいました。
しまった、話さなきゃ良かった、と思いました。

そんな思い出のある、コンビニのお赤飯おにぎり。
それを思い出しながら、おにぎりを食べていると、鼻の奥がツーンとしてきて
我ながら、えっウソでしょ、もうあれから10年以上経っているのに、と思いました。

たぶん、あのとき、私はとても悲しかったんだと思う。

でも、日中は薬剤師として仕事をしていて、

たくさんの患者さんと話す仕事だったし、泣く時間はなかった。

泣くとすぐ鼻が赤くなってバレるし、翌朝目が腫れるし。

仕事に差し支えないように、昼も夜も必死に涙をこらえていた日々だった。

だから、悲しいけれどその感情を感じ切ることなく

半ば自虐的な思い出として、半分自分を笑ってた。

だから、未だこうして10年前のことにちょっと泣きそうになっているのかも。

さて、午後3時ごろ、目的のキャンプ場に到着。
テントを張って、テーブルと椅子を出して、焚き火台で火を起こして・・・

娘のおしゃべりを聴きながら、
火を起こす夫を見ながら、のんびりとビールを飲みつつ空を見上げる。
ああ私、幸せだな、と思うのです。

今更、コンビニのお赤飯のおにぎりの思い出話を夫にするのもなあ・・・と思いつつ、娘もいたので、この話をするのはやめときました。

焚き火を見ていると、いろんな思いが湧いてきます。
これまでのこと、これからのこと。
家族のこと、仕事のこと。
これから行きたい場所のこと。

夜になり、ワインを開ける。

焚き火+お酒+夜=話すつもりじゃないことを話しそうになる夜

誰かに話すことで、切ない思い出はあっという間に癒されることもある。
だから、いつかまたコンビニのお赤飯おにぎりを食べていて、泣きそうになったら
その時は夫に話そうかな、と思います。

その前に、こうして、文章にしてみました。まずは、自分だけであの時の悲しさを感じて、誰かに話すのはその次に。

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